LRT幻想

これまで新聞をとってなかったのですが、今月から毎日新聞を3ヶ月だけとることにしました。

昨日の朝刊に、「古都のLRT計画」として、京都経済同友会のかたのインタビューが掲載されていました。
LRT(ライト・レール・トランジット)というのは、新型路面電車などといわれるものです。(参考 キーワードから見る現代

日本では、熊本・広島・岡山など既存の路面電車線にLRT車両が導入されていますが、新線を建設し新規にLRTを導入したところはありません。採算がとれないからです。

ところが、毎日新聞のインタビュー記事によると、京都では、今出川通北野白梅町-出町柳間)に路線を建設する構想を進めています。

しかし、同時にこんなことも言っています。
「京都なりの事情もある。たとえば四条通祇園祭の山鉾を通すのに架線が邪魔になる。線路もないほうがいい。となれば、架線レスでタイヤ走行方式が適している。鉄軌道にこだわらず、都市の特徴を生かしたさまざまな形のLRTがあってもいい。」
これって、路面電車よりバスのほうが望ましいということですよね。

LRTを建設すれば観光客にも喜ばれ、市内に乗り入れるクルマも減り、多少赤字が出ても市民の理解を得られるなどというのは、私に言わせれば、単なる幻想に過ぎないということです。

バスだってやることはいくらでもある。LRT先進地域と言われるドイツでは、一定時間、一定エリアではどのバスや地下鉄、LRTに乗っても一定料金というゾーン運賃制をとっています。また、日本では、バス専用レーンや優先レーンにクルマが乗り入れてバスが渋滞して動けないというシーンは無いでしょうか。バスだってハイブリッド化や電気自動車化が進むでしょうし、LRTが「格好いい」というなら、格好いいバスを走らせればいいだけのこと。ドイツで走っているバスは、大抵格好いいし、連接バスだってあります。

にも関わらず全然できていないからクルマで市内に乗り入れるんです。バス優先レーンを徹底させるだけで定時性は格段に上がります。それができないのは市民の意識が低いからで、LRTの建設費負担を受け入れることなどとてもできません。

京都では来年1月からバスをLRTに見立てて社会実験を行うそうです。私は、この実験を通じて行き着く結論は、「公共交通の本質的な問題は、何を建設するかというモノの問題ではなく、システムやソフトの問題だ」ということになると予想します。

数年後、京都市内を姫路市にあるような城周辺観光ループバスみたいなのが走っているような気がします。
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by himerits | 2006-11-30 00:05 | 京都